オカヤドカリは、その名の通り陸上で生活するヤドカリです。 そもそもは海でくらしていたが天敵から逃れるなどの理由で陸へと進出してきました。 体のつくりも陸上生活に適応していて、海にすむヤドカリと同じようにエラをもってはいますが、おもに腹部で皮膚呼吸しています。 また、体の乾燥を防ぐために貝殻の中に少量の水を蓄えています。陸で暮らすようになった今も貝殻の中に小さな海を隠し持っているようです。
オカヤドカリが、天然記念物の指定を受けたのは昭和45年(1970)小笠原諸島でのこですが全国的に見れば貴重なオカヤドカリも、
地元の人にとってごく普通の、ありふれた生物に過ぎなかったらしいです。魚を釣る際の餌として大量に採取していたそうです。
昭和47年(1972)沖縄県が本土復帰を果たして、沖縄の人たちはオカヤドカリが天然記念物に指定されていることを知り、驚きあわてました。 というのも、それまでこの天然記念物を釣り餌として利用するばかりでなく、ペット用として大規模に販売していたからです。
これは立派な産業だったようです。 今も沖縄県では、時期と量を限定しつつも採取が認められています。 オカヤドカリは飼育が認められている天然記念物なのです。 身近で天然記念物を観察できるわけですから最後まで大事にお付き合しましょう。
オカヤドカリの寿命は20年から30年とも言われています。 家庭環境でも大事に飼育すれば長く生きることがわかっています。 オカヤドカリの神秘的な、そしてユーモアのある行動を見ていると、とても心が癒されます。
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